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ジタバタする足は椅子や床に付かない。絞まる首は段々本当に苦しめる。今まで心が苦しかったのに死ぬ時は体が痛いなんてほんとっ、最悪!イライラする。 「...あっ!?」 縄が細かったのか上の棒が持ちきれなかったのかぼくの体重が重過ぎたのか全部当てはるはずのにこの恥ずかしい虚無感は絶望的に最悪だ。 未遂で済んだ。 死にたかったのに死ねずにいたのにほっとして安心して安堵している。本当に死にたかったらここでブチ切れるはずなのに。ぼくは下を深く俯いたまま笑い、笑い転げた。可笑しいくらいに笑って涙が出てきて呼吸が合ってなく咳をして我に返る。どっと悲観が降りかかり疲労がチクチク着いてくる。 あぁまた嫌な日々に振り出しか...。 未遂を遂げた棒と縄の天井を見上げ派手に転げている椅子を見つめる。 「ほんとっ、バカだなあ」 弱いくせに強がり分かっているのに悪い方に行く。やらなきゃいけないのに面倒くさく思いその後酷く後悔する。早めにやっとけばいいのにその行動にスタートする為に何時間も掛かる。やる時は大抵ハズレを引く。意外なとこで褒められそんな事で怒られる。好きな人は振り向いてくれなく嫌いな奴やとても興味ない奴は何かと優しかったり変に話しかけてきたり。こんな臓器でよかったらまだ寿命あるみたいだからほんと、あげれるならあげたい、無料で。当たり前じゃんお金要らないしまぁ感謝の顔くらいは見てて悪くない。死ななくていい人が亡くなって死んでほしい奴がのうのうと生きている。だからぼくみたいな役立たずが死んで生きたい人や死んでらいけない人にこの命、寿命を差し上げたい。臓器は出来るけどなぜ寿命はあげる事が出来ないのだろう。
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