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俺と彼女の誕生日
*
今日はなんだか夢見が良い。
「みなとくん」
夢の中で大好きな彼女が俺に優しく微笑みかけている。
「いつも可愛いな、夏実は」
夢の中にいる俺はそう言って彼女の頭を撫でると
「ねぇ、今日から『湊人』って呼んでいいんだよね?」
と訊いてきた。
「どうしていきなりそんな事訊くんだよ? 今まで夏実は俺を『みなとくん』って、くん付けしてくれていたのに」
今まで通り「みなとくん」の呼び名で慣れてるんだから別にそのまま変えなくてもいいんだけどなぁ……なんて、夏実の黒いストレートロングヘアを手で梳きながら俺はぼんやり思っていたんだが
「あ、そうか……ごめんごめん。今日、誕生日だもんなぁ」
「7月13日になったら」と、彼女と交わした約束を思い出し、柔らかな唇にキスを落とした。
チュッ
「そうだよぉ。私、18歳になったんだから湊人はもう何もガマンしなくていいんだよ?」
チュッ
「そうだったな。誕生日おめでとう夏実」
チュッ
「湊人もでしょ? 30歳の誕生日おめでとう♡」
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