隣のあなた

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隣のあなた

※隣人視点 ~3/31夜ごろ~ 『ヘックション』隣の部屋からくしゃみが聞こえた。 あの愛おしいぴょんじのくしゃみだ。 私に表現できるのは壁へ思いを伝えることだけ、 この拳に気持ちを込めて、 【ドン】 あ// これでぴょんじに気持ちがつたわったはず。。。 でもこれだけではいけないことはわかっている。 言葉にのせなくては でも私は話をすることが苦手なのだ。 私はとある工場で働いている。 生産ラインの物を組み立てて作る仕事だ。 作り方などの手順で話はするが、 会話をしなくても作業をすることはできる。 会話をするのが苦手な私にはピッタリだ。 上司は嫌いであるがそこそこ時給もよい。 手を動かし、無駄な動きはしない。 時は金なり、工場作業では無駄な動きが命とりである。 私はこの仕事が結構気に入っている。 もともと私は子供のころから静かな子であったと 母によく言われた。 遊ぶ時も外にはでず本を読んでいた。 家でも本を読んでいる。 〜別の日〜 本を読んでいると、隣の部屋からあなたの声が聞こえてきた。 ぴょんじ「もえもえきゅん」 え/// 、「もえもえきゅん」? ぴょんじは何をしゃべっているの? 心の底からなにこみ上げてきた熱い気持ち その気持ちをこの拳にのせてあなたに伝えたい。 【ドン】 あ// 、またやってしまった。 本当は言葉にしてあなたにつたえたい、 「もえもえきゅん」ってなに?教えて? でも、そんな事は聞けるはずもなく、私はいつも通りのルーティンで本を読みすすんでいく。
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