罰ゲーム(告白)の時間

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罰ゲーム(告白)の時間

「す、好きだ!お、お、俺と付き合ってくれ!」 「え?」 この俺、松山 優希は今、人気のない空き教室にて、目の前のイケメン野郎に告白をしている。 ちなみにこいつの名前は"相澤 蓮司" 学校では一二を争うほどの人気者。 ファンクラブまで存在する、学校のアイドル的存在なのだ。 一方俺はといえば、どこにでもいる男子高校生····· ではなく、ちょいとヤンチャして問題児扱いされている男子高校生·····である。 そんな俺が、学校一のアイドルに告白するという愚行に走っている訳だが·····。 言わせてもらおう·····これは決して、俺の本意ではないということを! 断じて、望んで告白している訳では無いということを!! なのにどうして、このような状況になってしまったのか。 それは今から、20分ほど前に溯る。 ···················· 「な、なんでだよ!!?意味がわかんねぇ!!」 放課後の教室内に、俺の声が響き渡った。 何事かと周りがこちらをチラチラ見つめてくるが、今の俺はそれどころでは無い。 「まぁまぁ、優ちゃん。落ち着きなって〜」 「これが落ち着いていられるか!! なんで俺が知らない奴に·····こ、こ、こ、こここ告白なんてしなきゃいけないんだ!!?」 どうどう、と俺をなだめようとしているコイツは、俺のダチで響也という。 「罰ゲームの内容は、俺が決めていいって優ちゃん言ったでしょ〜? だから、"この学校の生徒に告白しよう"がその罰ゲームってこと」 「ま、マジかよ·····」 元々、俺が提案した罰ゲーム制。 テストの合計点数が低い者が、何らかの罰ゲームを受けるというルール。 面白半分で言った事だが、まさかこのような形で帰ってくるとは····· 「いい加減諦めたらどうだ、優希? 言い出しっぺのおまえが、ワーワー喚くなんてみっともねぇぞ」 「っ、雅人てめぇ、重いっつーの!」 俺の頭に腕を乗せてきたこの不届き者は、もう一人のダチで名前は雅人。 呑気に欠伸をしながら、容赦なく俺に体重をかけてくる。 「雅人の言う通りだよ〜 一度決めたら意地でも曲げない·····それが優ちゃんのポリシーでしょ?」 「くっ·····」 響也のやつ、痛いところをついてきやがる。
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