エピローグ

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家族の存在の大切さ。 人を赦し受け入れる寛容さ。 自分の中で燻っていた、自分でも気付けなかった仄暗い感情。 それを唯一愛し愛される存在に出会えたことで消し去ることができ、そして想像すらしていなかった、憎んでも赦すことは難しい相手を受け入れられたこの現実が、美律自身にも美律を取り巻く全ての人間たちをも幸せで穏やかな気持ちにさせていく。 ドアベルが店内に鳴り響くと、美律の優しい声がカウンター越しに通る。 「―――――いらっしゃいませ」 ――――今夜も見目のいいバーテン親子と渋みのある名物オーナーに引き寄せられるようにその店を愛する客たちが集い、優しいざわめきが店内を包んで、『SILK』の新たな歴史が静かに流れてゆく・・・。
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