192人が本棚に入れています
本棚に追加
/66ページ
「ないとぉお〜〜〜〜〜!!!
遅くなってごめんねぇええ!!!!」
はーーっ、息切れるっっ!!
保育園のお迎えの時間とっくに過ぎてたから、チャリぶっとばして保育園きたよぉお!!
あたし生保レディしてんだけど、保険金支払いの方じゃなくて契約取ってくる営業の方してんのよ。んで、損害保険会社が対応ミスって契約者ブチギレで、こっちにハレーションきたわけ!
あたし2時間保険会社の文句聞かされたからね!?保険会社の担当に直接言ってよ〜〜〜!!
そんなわけで、王斗のお迎え遅れました★
やだもう、ごめんっっ!!!
「かーちゃん遅い!!!」
案の定、王斗がひとりぽっちで保育園で待ってて、もうほんとごめん、まじでごめん!
「王斗ごめんって!ママ仕事大変だったのー!てか、きいてぇ〜〜〜!!」
「やだ、かーちゃんの話わかんないもんっ!」
「王斗つめたーーいっっ、」
ぎゅーーーーーっと王斗を抱きしめたまま、ハッッ!!!先生の存在忘れてた!!
あたしは王斗をだっこしたまま、ドドドドッと先生のところへ突進。
「先生!!ほんっっっっとーーーっに、すみません!!!お迎え遅くなっちゃって、あのこれお詫びっていうか!!」
ズイッとチョコレートを差し出すと、あたしと大して年齢違わなそうな先生が苦笑いした。
「大丈夫ですから。でも気をつけてくださいね〜。王斗くん、また明日!」
先生が手を振ると、王斗はブンブン手を振り返した。ちょ、暴れるなっ、落ちる!
「王斗!暴れないでよっ、」
「おらおらおらおらーーーー!!!」
「ないとーーーー!!!」
ほんっと、王斗は元気いっぱいで、何度ママって呼んでってお願いしても、国民的アニメの影響を受けたのか、あたしのこと「かーちゃん」って呼ぶし、
もーーーーーーっ、可愛すぎか!!
さっきぶっ飛ばしてきたチャリの子ども乗せに王斗を乗せて、今度はノロノロと出発。てか王斗おもっっ。
「王斗〜、今日何食べたい〜??」
「ステーキ!」
「無理ー!」
「えー!じゃあ焼肉ー!」
「それも無理ー!王斗、お財布に優しいメニューにして!」
「え〜〜〜??かーちゃんほんとケチだよねぇ!じゃあねぇ、マーガリン醤油ごはん!」
「おっけー!それに野菜とソーセージ炒めたのと、味噌汁つけたら完璧!!」
「野菜いらねーーーー!!!」
二人で賑やかな帰り道。超愉しい。
ほんとさぁ、王斗妊娠したときは、両親にめちゃ怒られて、堕ろせとまで言われたわけ。
まー、あたしそん時まだ高校生だったからさあ、親がキレるのも無理ないっちゃ無理ないんだけど。
で、結局堕ろすとか無理ってなって、家を飛び出したんだよねー。したらそのあと親からLINEきて、お前とは親子の縁切るとか言われてマジウケる。
や、そん時は全然ウケなかったケド。
産んだこと、全然後悔してない。
だって、王斗かわいーもん!あたしも人の親になれるよーな立派な人間じゃないけどさぁ、それでも王斗のためならいくらでも頑張れるってゆーか?
とにかく、王斗に出逢えて良かった。
最初のコメントを投稿しよう!