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第76話 犯行現場
リオは文句を言いながらもオレたちを邸内へ案内した。
金倉金造邸は呆れるくらい立派だ。
飾ってある調度品ひとつで、普通の家庭なら何ヶ月も生活できるだろう。
「さ、こっちよ。キョロキョロしないで!!
ヒカル!!」
「ハイハイ、生徒会長!!」
まったく……。
引率の先生かよ。お手上げだ。
修学旅行で見学に来た学生じゃないんだ。
よそ見をしたからって、いちいち文句をつけるな。
「この書斎で亡くなっていたのよ!!」
石動リオがドアを開けた。
「おおォ!!」書斎を覗いた瞬間、驚いた。
まるで図書館のように本棚が並んでいた。
壮観な眺めだ。
しかも漫画本などではなく数学関係の専門書などがズラッと並んでいる。オレは数学や物理がもっとも苦手な教科だ。
ザッとタイトルを見ているだけで頭が痛くなってきた。
「ここに被害者の金倉金造氏が倒れていたの」
リオが絨毯の上を指で差した。
そこにはまだ被害者を象るように白いテープが貼ってあり、黒く血痕が残っていた。
「なるほどねえェ……。ここが犯行現場ッてワケか」
オレも腕を組んで頷いた。
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