第18話 賞賛

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 くくく、もっともらしいこと並べ立ててちゃいたが、結局は全部テメーの勝手な思い込みの範疇だろうに……。ソレを死人に口なしとばかりに美談絡めて好き勝手に吹きまくりやがって♪  だがな、そんなもんで騙されるのは女子供か頭の弱い使用人ども(コイツラ)くらいのもんなんだよ……。  ようするに、力のねー兄ちゃんがいくらそんなことを唱えた所で世の中は何一つ変わりゃあしねぇのさ……。  結局は、今みたいな権力の前にはすぐさま握り潰されちまう……。  どんだけ御大層なお題目を並べ立てようとも強ええもんだけが生き残っていくってのがこの世の真理って奴なんだよ……。  詰まる所、所詮、兄ちゃんの言い分なんざ、俺から言わせりゃあ少しでも自分に都合のいい耳触りのいい言葉に酔っちまってる青くせーガキの戯言でしかないわけなんだが……。 「くくく……♪」  内心そんなことを考えつつも、ココはあえて口を挟まないでおいた。  何故かって? んなもん決まってんだろ? オッサン(豚くん)たちがこの兄ちゃんにやり込められていく込められていく姿を見てるのは最高に笑えて、見世物としちゃあ十分楽しめるからさ♪  後は、これからオッサン(豚くん)共がどういった巻き返しを見せてくれるかだが……。  ま、この手の輩が最後に持ち出す手段なんてのは昔っから決まっちゃいるがな……。 「ブ、ブヒャッ、お、おのれぇっ! だ、黙って聞いていれば、ぼ、僕らに向かって、せ、説教じみたことをっ‼」 「に、兄さまの言う通りっ! アルマス、き、貴様っ、き、今日まで飼ってもらった恩も忘れて、よくもぬけぬけとそのようなことが言えたなっ……!」 「ま、全くだっ! い、卑しい紛い物の分際で僕らに意見するなど千年早いわっ‼」
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