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ロビンの目に映る健太郎は、何だかポカンとして見える。
こんな結末が待っていたなんて、有能なケンでさえ信じられないような顔をしている。
その後、しばらく優しい沈黙がこの部屋を覆った。
それぞれの胸に込み上がるものを噛みしめる時間をもらったみたいに。
でも、最初に言葉を発したのは健太郎だった。
「え?
じゃあ、ロビンのママはどこで眠ってるの?」
ロビンもハッと気が付いた。
でも、きっと、遺骨になってベトナムに帰っているに違いない。
「健太郎…
おばあちゃんがよく通っていた教会を覚えてるか?」
健太郎はすぐに思い出した。
子供の頃、祖母と一緒に訪れていたあの場所を。
「あの高台にある古びた教会の事?」
「そう、あそこにある墓地におじいちゃまとおばあちゃまは眠ってる。
そして、ファムさんもその隣にある共同墓地に眠ってるんだ。
それは、ファムさんの、そしておばあちゃまのたっての希望だった。
おばあちゃまに関しては、ロビンちゃんが帰って来るまでは私達の隣で眠らせてあげてって」
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