第38話 明かされる契約内容

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「近場に温泉とかは?」 「それなら……」 「よし!じゃあ、予約するよ!?」 「もうですか!?」 「今、予約しないと月子の気持ちが変わるかもしれない」 そうかも。 それを否定できない自分がいた。 あまりにインドア生活が長すぎて。 私が旅行といえば、別荘に行って一人で過ごすのが旅行だった。 読書をしたり、ゲームをしたりと家にいる時と大差ない生活。 旅行って何をするんだろう?と思う私はかなりの旅行初心者だ。 「予約完了!!で、話なんだけど」 「はい」 「新崎で何か嫌なことをされなかった?」 すっと天清さんは目を細めて声を低くした。 「大丈夫です。なにもされてないです」 「そっか。それならよかった」 ホッと天清さんは息を吐いた。 「詩理(ことり)さん、元気でしたよ。ただ監視の人はいましたけど……」 「そうだろうな。月子、無茶しすぎだよ。あの男は何するかわからない」 「そうなんです!詩理さんが契約書を書かされるところだったんですよ!でもっ!ちゃんと阻止しました!私と詩理さんだけがわかる暗号でっ!」
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