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♯1 ビジュアル系弁護士シンゴ✨😜✨💕
「ねえェ、覚えてるゥ」
巨乳刑事、秩父クリスが、まるで仔猫のようにしなやかな身体をオレに寄せてきた。
香水だろうか、しびれるような甘美で蠱惑的な匂いがオレの鼻孔をくすぐった。
「さァねェ。昨夜のコトなんて忘れたよ!!」
オレは、ハードボイルドの一節のようなキザなセリフを言った。
「あァら、じゃァ、シンゴ!
二度と忘れないようにしてあげようか」
秩父クリスが妖しく微笑んだ。
ゆっくりと柔らかな唇がオレのモノに重ねられた。
オレの名前は織田シンゴ。
かの有名な織田信長の末裔だ。
今は売れないインディーズのビジュアル系バンド【ワイルド・プリンス】のギター&ボーカルをしている。
もう直、三十歳になるので早くメジャーデビューしないと家族の手前恰好がつかない。
そしてオレには、もう一つの顔があった。
世界で、ただ一人の【ビジュアル系弁護士】だ。
『鳴かぬなら裁いてくれようホトトギス!
天に代わって お前の悪事を』
今日も【謎の事件】がオレを待ち受けている。
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