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「超能力っていうか。子供は勘が鋭いっていうからな」
「勘じゃ済まないでしょ。コウタって何? 心霊?」
「どうかな。心理的な解釈もできるんじゃないかな。自分では気づかない、別の人格とか」
「蒼太が二重人格だって言うの?」
茜は、心霊と言った時以上に青い顔になった。
「大丈夫だよ」と私は笑った。「そんな大げさなもんじゃないと思うよ。幼い子供が見えない友達を持つのは、結構よくあることだって聞いたことがあるよ。ごっこ遊びの延長線上みたいなものだって。ほら、小さい子はぬいぐるみも生きてるみたいに振る舞ったりするだろう?」
「そうかなあ……」
茜は心配そうに蒼太を眺めた。私もつられて目を向ける。蒼太はまた床に座り込んで、積み木に夢中になっていた。
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