プロローグ

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プロローグ

ある日僕はちょっとした好奇心で母親と姉から離れ、森を抜けた先に有る王国に繋がる街道に出るとキョロキョロしている黒いフードの人物を見つけてしまった。 「この人間迷子なのかな・・・?」 そう思った僕は内心ドキドキしながらその人間へ近寄って行くと、嘘何で・・・!?と叫んで来る声に思わずビクっとしてしまう・・・ 「何でこんな所にウルフが居やがるんだ!?」 そう言いながら黒いフードの仲間達が武器を構えようとするので、何だコイツ!っと叫ぶに僕にこの子はウルフの子供ですよ!とフードを払った赤い髪が綺麗な人間が庇う様にそう叫んで来る。 「ほら二人も撫でてみてくださいよ。この子大人しいですから?」 そう言いながら撫でて来る赤髪の女の人に僕は仕方ないな・・・と思いながら自分のお腹を見せて寝転がっていると、おおっ!?触れたぞっ!!と二人の人間たちも驚いた様子で撫でて来ると少し気持ち良くなって眠くなって来る・・・ 「早く帰って来なさい!」 突然聞こえて来た母親からの遠吠えに僕は慌てて起き上がると、お母さんが呼んでるんですかね?と言って来る赤髪の女の人にまたね?と言いながら尻尾を振って住処の有る深い森の中へと駆け上がって行く・・・ 「また会えるかな・・・あの人に?」 人間は怖いと教えられてきた筈だが妙に落ち着く匂いと雰囲気が気に入った僕はご主人様とこの日始めて出会ったのである。
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