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昼飯は和香とは別々。
俺達は三人で芽衣の作ったお弁当を食べる。
「この唐揚げ美味い…」
「お前、俺よりも先に芽衣の唐揚げ食べたな…奏弥」
「…ダメだった??」
「ダメに決まってんだろ!」
「…二人共…皆が見てますよ…」
遥ちゃんに言われ、俺と奏弥は周囲を見渡した。
皆が俺達に注目していた。
「見られてるな…恥ずかしい…俺が先に唐揚げ食べたぐらいで、声を荒立てる兄貴が悪い…」
「お前が悪いんだ…奏弥」
「東亜の槇村先生ですか??」
一人の女性が奏弥の元にやって来た。
「私の友人の妊婦さんが急にお腹が痛いって言い始めて…診て頂くコトできませんか??」
「妊娠何ヵ月かな??」
「来週で臨月です」
「臨月??」
「奏弥…診てやれ」
「…兄貴だって産婦人科医だろうが…」
奏弥はもう一つ唐揚げを口に運び、立ち上がった。
「じゃちょっと行って来るよ…二人で食べてて」
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