第30話 大どろぼうの正体

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「安心したよ。『がんぼう伝説』のような終わり方はごめんだからね――問題は、その神通力のもとなんだが……」 そう言って、宝蔵のほうをふり返った。 「だれかが引きぬいて、焼き捨てたんでしょう。伝説通り」 「それならいいんだ」 細野刑事は、翔太の炭でよごれた手とスニーカーに目をやって、ゆっくりと立ちあがった。 「北原くんだったね。美月が、近いうちに友達を呼んで、お茶会を開きたいといっているんだ。迷惑でなかったら、来てやってほしいんだが」 「あっ……はい!」 翔太は、ペケをだいたまま、あわてて立ちあがる。 来てやって、という言葉に引っかかった。 「刑事も、いらっしゃるんですか?」 聞き過ぎたと思ったが、もうおそい。
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