プロローグ

1/1
622人が本棚に入れています
本棚に追加
/429ページ

プロローグ

正解か、間違いか。 何かを決断する時、あたしの頭にふたつの選択が顔を出す。 鳥籠の家にいた頃の習性。 あたしが人形だった時の名残。 叔父は間違いの選択をすると、あたしが気を失うまで殴っていた。 叔母は間違いの選択をすると、心が抉れるまで暴言を吐いていた。 正解を探す事だけに毎日必死だった。 リョウに拾われて、掬ってくれる人が居て 失敗しても良いのだと教えてくれた。 間違っても大丈夫だと教えてくれた。 だけど、中身の無い頭はやっぱり探してしまう。 今からあたしがする事は、何が正解なのだろうか。 あたしが今までしてきた事は、間違いだったのか。 間違うことは、果たして失敗なのだろうか。
/429ページ

最初のコメントを投稿しよう!