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プロローグ
正解か、間違いか。
何かを決断する時、あたしの頭にふたつの選択が顔を出す。
鳥籠の家にいた頃の習性。
あたしが人形だった時の名残。
叔父は間違いの選択をすると、あたしが気を失うまで殴っていた。
叔母は間違いの選択をすると、心が抉れるまで暴言を吐いていた。
正解を探す事だけに毎日必死だった。
リョウに拾われて、掬ってくれる人が居て
失敗しても良いのだと教えてくれた。
間違っても大丈夫だと教えてくれた。
だけど、中身の無い頭はやっぱり探してしまう。
今からあたしがする事は、何が正解なのだろうか。
あたしが今までしてきた事は、間違いだったのか。
間違うことは、果たして失敗なのだろうか。
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