145人が本棚に入れています
本棚に追加
/574ページ
十時を過ぎて家に帰っても当然ママはいない。居ても煩わしいことの方が多いから居なくて構わないけれど………
私たちの結婚を許してくれたママは、これから一人で寂しくないのかな?
ママはまだ若いし、再婚するかも知れないけど。ママにも今度こそいい人が現れて、幸せになってくれるといいな。だけど、ママのメガネに叶う男性など、簡単に現れるわけもないか。
軽くシャワーを浴び、パジャマに着替えてベッドに入る。
ラインに浩輝くんからのメッセージ。
『来週の月曜、東京に引っ越す。茉理はいつ頃来られる? 』
「ごめんね。まだ決められない」
『不安なら、俺のマンションで一緒に暮らしてもいいけど。利便のいい広い新築マンションだぞ。まぁ、彼氏と別れないうちは、そんな気分になれないだろうけどな』
「もう少し考えてから、決まったら連絡するね」
『まだ結婚するとか考えてないよな? それだけは絶対にやめとけよ』
「うん、わかった」
『多分だけど、茉理のデビューは4月の下旬か、ゴールデンウィークあたりを予定してる。あまり練習しているヒマがないから、茉理が知ってる歌いやすい曲を選んでおくよ』
これ以上ウソをつくのが心苦しく、了解!のスタンプを押してスマホを閉じた。
最初のコメントを投稿しよう!