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「朝日ちゃん。朝日ちゃんって彼氏いるの?」
「どうしたの急に。私の個人情報は厳重に管理されているので、お答えできません」
「だよな。ストレートに聞いたって教えてくれる訳ないとは思っていたけど」
「で、どうしたの?」
「いや、バレー部の人じゃないんだけど、朝日ちゃんを紹介して欲しいって人がいてさ」
「あー。お断わり申し上げます。学生と恋愛するような歳じゃないんで」
「やっぱり経済力の問題?」
「いや、年齢の問題」
「別にちょっと年下なぐらい、許容範囲でしょ」
「ちょっとならね」
「じゃ、別にいいじゃん」
「その子学生でしょ?20代でしょ?」
「そう、オレのタメ」
「ほら、数個じゃないじゃない」
「え?朝日ちゃんいったいいくつなの?」
「女性に歳を聞いちゃいけません」
「でも、気になるし」
「どうしても知りたければ、監督に聞いてみたら?」
「分かった、オレは知りたいから聞いてくる」
「聞いたら他言無用よ。女性の年齢は広めるもんじゃないからね」
「はい、わかりました」
スタンドのあの子は、部屋を出て行った。
マジで聞きに行ったのかな?
年齢を聞かれれば答えるようにしていた。
だけど最近ははぐらかす事にしている。
保険的な意味合いもありつつ、実際は彼との年齢差を自分が認識したくなくなっただけ。
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