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流行りの転生ものかと思ったら
「…丈夫です…――大丈夫ですか?」
呼びかける声に、目を開ける。
直後、私は自分がまだ夢の中にいるらしいと悟った。
何故なら、私の視界に真っ先に飛び込んできたのは、黄色い肌に茶色の模様、二本の角が生えた、――そう、紛れもなく――
キリン。
だったからだ。
「夢か」
私は呟いて、目を瞑る。
すると、
「お気を確かに」
声が降って来る。
反射的に、私は目を開けた。そして、目だけを動かし、声の主を探した。
しかし、確認できる限りでは、この場に私とキリン以外何もいない。
でも、キリンが喋る訳ないし、と私は当たり前のことを言い聞かせる。それでも、思わずキリンの口元に目をやったのと同時に、その口が動いた。
「大丈夫ですか?」
しゃ…
「喋った…!」
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