第4話 便利屋

4/6
40人が本棚に入れています
本棚に追加
/313ページ
――― 「あはは!」 「イェーイ!俺の勝ち。」 「くっ……負けた…」 心底悔しそうにしていると、雄太君の真剣な声が降ってきた。 「悪かったな。」 「え?」 「お前図書委員じゃないんだろ?俺がやるから風見はもう帰ってもいいぞ。」 ぶっきらぼうに言っているが雄太君なりの優しさが伝わってくる。 私はフッと息を吐くと、同じように本を取った。 「私もやる。乗りかかった船よ。それに一人でやるよりも二人の方が早く終わる。」 「風見……」 「さぁ!後40分くらいしかないよ。口よりも手動かす!」 「お、おう!」 私の迫力に押されたように返事をする雄太君に笑顔を返すと、作業を再開した。 .
/313ページ

最初のコメントを投稿しよう!