*花* 聞きたいこと

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息が上がって我慢できなくなってキスをやめて、けんちゃんの肩におでこをつけてうつむいた。 「花。ちょっと良すぎて、逆に、俺、罪悪感がすごい……」 罪悪感っていうけど、笑っている。 罪悪感? 花は、そんな事考える暇もないほど、ずっとドキドキしていた。 「罪悪感って妹だから? 年の違い?」 気になって聞いてみたら、けんちゃんが笑って、 「両方」 と、言った。 「大丈夫。花、気にしない。けんちゃんのこと、大好きだもん」 もううれしすぎて、一応、兄妹だとか、14も離れているとか、どうでもいい。 それよりもう一回キスしたい。 「は。ははは。花、それ、やばい。俺、地獄に落ちそう」 そういうと、ぎゅっと花を引き寄せて、深くキスした。 熱くて、花、溶けてしまう。 ちょっとおかしくなるようなキスだった。 「けんちゃんんん」 駄目だ。 花、今まで思っていたことを全部言っちゃいそう。 花、けんちゃんとしたいと思ってる。 「ん? あ、花。ダメ。なんかここに座っているのがマズイ」 「マズイ?」 言葉には出なかったけど、そういう気分になっているのが、顔に出ちゃった。 でも、良いと思うんだけど。 No problem。 好きだもん。 「ん、マズイ。ちょっと、勢いすぎる。さすがに、花と勢いでは、マズイ気がする」 勢いで、続けたらダメなのか。 けんちゃん、ブレーキ、強いな。 花、今、ブレーキ、踏む気は全然なかったんだけど。
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