不器用な私達は

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顔を上げて私をじっと見つめる。 あまりに強い視線に捕らわれて、身動きがとれなく なった。 「何でよりによってあの男に頼むんだよ!」 「だって、協力してくれるって言うから…」 「俺に言えばいいだろうが!」 「…えっ?」 予想外のことを言われて声が上擦る。 自分でもすごく間抜けな声が出たなって恥ずかしく なった。 そんな私に彼は畳み掛ける。 「だから、俺が結婚してやるって言ってるんだ!」 「え?えっ?た、拓海が…?」 「何でそんなに驚くんだよ。」 「いや、驚くでしょっ!」 思わずツッコんでしまった。 だって、誰がこんなこと予想出来たって言うん だろう。 あの拓海が結婚なんて。 「…バツがついてもいいの?」
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