18 トッキーランド2

2/6
176人が本棚に入れています
本棚に追加
/280ページ
 思えば、大和に子どもの頃(今も一応子どもだけど)の話を聞くのは初めてだ。  もしも大和が小さい頃から近所に住んでいたら、こんなふうに一緒に遊んでいたのかな。 「なんか、タイムスリップだね」  真剣に水の中を見つめてそろそろと網を入れる大和を、私はしゃがんで見ている。 「どんぐり拾ったり木に登ったりさ。タイムスリップして、大和と一緒の子ども時代をやり直してるみたい」  ジャブッ  引き上げた網には、小さな魚が二匹入っていた。  大和はドヤ顔で私に網を振ってみせた。 「見たか! 大和くんは魚採りが天才的でした、って記憶の上塗りしとけよ」 「え〜。ちっちゃいの二匹で? レベル低すぎ! 私の腕を見ててよ」  魚採りは楽しくて、一匹でいいのに、なんだかんだと張り合って、二人で十五匹も採った。
/280ページ

最初のコメントを投稿しよう!