第6章 2人の婚約者

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「皇女様?アレクシスが何かしましたか?」 コソコソと話すものだからエヴァンが心配して尋ねてくる。 「いっいえ、何でもありませんわ。…あ、そうそう!私2人にお願いがありますの」 アレクシスのせいで忘れるところだった。 私はエヴァンとジョシュアが来ると決まった時から少し大胆なお願いを考えていたのだ。 「今日から公の場以外ではお互い敬語はなしにしません?あと、呼び方も名前で呼んでいただけると嬉しいですわ。私もそのように致しますので」 そう言うと2人はすごく驚いた顔でお互いの顔を見合わせていた。 びっくりしすぎて言葉も出ない様子に、逆に私が慌ててしまう。 「…やはりだめでしょうか?私はアレックスとアレクシスがお2人と仲良くしているのが…幼なじみという関係が羨ましいと思ってしまって…。この機会に私もお仲間にしていただけませんか?…あっもちろんお父様やお母様に何か言われるようなら私が責任を取りますので!」 皇女という立場をフルに活用して何とか頼み込むと、ようやく2人は肩の力を抜いて私と向き合った。 「ははっ!深窓の皇女様だと思ってたけど意外だぜ!オレはこんな口調の方が気楽でいいや」 「…そうだな。いずれ夫婦になるのなら今のうちに慣れておいた方がいい」 「まあ…!よろしいのですか!」 砕けた口調に普段の姿の2人を少し見れた気がして私は喜んだ。
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