アルバイト

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 純一はTシャツの上にチェックのシャツをはおり、ジーンズというかなりラフな格好だった。相変らず茶髪が目立つ。彼の容姿を説明する時は一番先に挙げられる特徴だ。  高校生くらいの女の子2人と一緒だった。どういう関係だろう。3人が入って来る様子を入り口から離れた所で見ていた。 《へぇ~、こないだはユークリッド幾何学で頭がいっぱいだったから、彼のことしっかり見てなかったけど、案外手足が長くてスマートなんだ。そういえば、図面書いてる様子ばかり覚えてる》  むちゃくちゃイケメンという程ではないけど好青年であるのは確かだ。  村井孝子が水の入ったグラスを純一たちのテーブルに運んで行った。双葉はそこでハッと自分の立ち位置に目をやる。  どうしよう、このまま気づかない振りをして、なるべく離れていようか・・・ それとも、流れに任せてテーブルに近づいた時に、声をかけようか・・・ 急にあせりだした。  双葉は挙動不審になりながらとりあえずそっとテーブルを離れ、彼らから見えない場所に移動した。
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