強制的に結婚させられました

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そうして、二人が形式的には夫婦になってから、半年の時が過ぎた。取り決めた義務を果たす以外は、互いに干渉することなく、生活している。 「ただいま帰りました~。」 夜遅くに、残業を終えた美緒が帰宅する。 「美緒さん、お帰りなさい。夕食、置いてありますので、好きなときに食べて下さい。」 尚人は、何やらカタログとにらめっこをしながら返事をする。 「ありがとうございます。…ところでそれは?キャンプ用品のカタログですか?」 「はい。実はキャンプに行くのが趣味でして。新しいテントを買いたいのですが、ちょっと金銭的に悩ましいところで。」 美緒は目を丸くする。何故なら、彼女も同じ趣味を持っていたからだ。 「そうなんですか!?実は、私もキャンプが趣味なんです!」 「え、美緒さんも?奇遇ですね…!」 「ちょっとそれ、見せて下さい。わあ!素敵なテント!丈夫そうだし、大きいし!」 「ですよね!分かってくれる人がいて嬉しいです。」 「尚人さん!このテント、半額なら出せますよ。二人で買って、今度一緒にキャンプに行きませんか?」 美緒は目を輝かせて提案する。 「良いんですか?とてもありがたいです!是非是非、一緒に行きましょう!」 こうして二人は共通の趣味をきっかけに、仲が急接近したのであった。
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