due

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「あの…尊さん?」 「ごめん…離れたくないから…もう少しだけ…佑香…俺もうとっくに佑香のこと好きだから…佑香が小さなひとつを俺に投げてくれたら、それを倍にも何倍にもして大きく組み立てて返してやる。佑香はそこに乗ってたらいい…たまに小さな土台をくれたら上は全部建ててやる。そうやって俺と佑香だけの確かなものを作っていかないか?」  俺の腕の中で固まっていた佑香が、うふふっと小さく笑う声がする。 「それって…私がラクして尊さんだけ疲れないの?」 「好きな女のことで疲れることなんてないだろ」 「そんな建築方法で築いたものは倒壊しないかな?」 「毎日愛でるから倒壊しない」 「今は…うさぎ小屋くらい?」 「ははっ佑香…そんな可愛いこと言ったらずっとこのままなんだが…どうしようか?」  自分の体がどんどん熱を帯びるのを感じ、佑香の頭にそっと唇を落とすと、ゆっくりと腕を解き彼女の肩に手を置いた。 「佑香は俺をどうしたいの?」 「どうしたいのかな?…とりあえずちょっと恥ずかしいです」 「また」  です、と言った佑香の鼻を軽く摘まんでやると 「すぐには難しいで…難しい…」  と佑香の鼻声が聞こえた。
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