戦士の休息

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「順当にいけばあたしらが先に死ぬんだ。良かったじゃないか、ロサ=マリアに兄が居て。その調子でどんどん種付けしたっていいんだぞ」  そういわれて、じゃあ! と笑顔になれるほど島も自由では無かった。子供が沢山欲しいわけでもない、作ると言うよりも自然と出来るものだとの感覚なのだ。 「命の恩人に恩を返すことが出来た。部下を悩みから解放することが出来た。死んだ妻の墓参りをして、従妹の将来を助けることが出来た。両親へ孝行することが出来た。親友と再会することが出来た。息子が新たに出来た。娘に兄が出来た。そして最愛の妻が傍に居る。俺の休暇は今までの人生で最高だったよ」 「ああそうかい、そいつは良かったね」  そう言ってレティシアは満足そうな笑顔を浮かべて目を閉じた。明日への活力になる戦士の休息は終わりを迎えるのであった。
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