懐かしいホームランバッター

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 仮令、日本で一流であってもメジャーでは通用するとは考えにくかった時代からプロ野球を観て来た僕にとって事実は小説より奇なりと唸らざるを得ないような信じられないことが起きている。昨今、連日のようにホームランをかっ飛ばしている大谷選手の活躍ぶりを伝える報道に触れる度に驚いてしまうのである。そもそも周知の通り二刀流で鳴らす事自体、今更ながら驚く。アメリカではベーブルースが活躍していた頃、日本でも戦前は何人かいたが、これを現代に於いて而もメジャーで尚且つ高次元で遣って退けることがまずもって信じられない。何しろ漫画でも劇画でも映画でも小説でも描かれたことのないスーパーグレイトなファンタスティックなアメイジングなアンビリーバブルなインポッシブルなことを実現しているのだから。正に規格外だ。あの体も規格外だ。全く以て日本人離れしたデカさ。メジャーの選手と比べても全然見劣りしない。更に規格外なことにあのゴルフスイングと言ってもいい程のアッパースイング。身長があるから高めの糞ボールでも丁度打ち頃のホームランボールになる上、それをアッパースイングで捉え運んで行くのだから飛ぶ!飛ぶ!。凡そ今まで目にして来たホームランバッターとは訳が違う桁外れのパワーを持った常識外れで型破りな新規格のニュータイプだ。が、ステップを踏まず右足と腰のひねりでタイミングを取り軸がぶれない安定したフォーム(ホームランを打ったシーンしか見てないからそう思うだけ?)は、理に適っていて割とオーソドックスとも言える。大きな怪我さえなければ行く行くはメジャーナンバーワンのホームランバッターになるだろう。まさか日本人からこんな選手が出るとは・・・末恐ろしい。末恐ろしいと感じるのは僕が今の日本を好いてないからだろう。末恐ろしいと言えば、AVの過激さは何処まで増すんだろう。ああも過激では色気も糞もあったものではなく、こんな可愛い子がこんなハレンチなことするなんて信じられないということが珍しくなくなって観る方は慣れっこになって感覚が麻痺して僕に至ってはそういうのを観る有難味が無くなってしまった。と言うより、さっき可愛い子と言ったが、僕は最近の流行りの下顎が発達していない為に出っ歯気味で顎がとんがった無機質な感じがする顔が好かないのでそもそも最近のAV女優に馴染めないのである。また、男と女は別物の生き物だから当然と言えば当然だし、況して僕は他人との懸隔を甚だしく感じる男だからAV女優に対し同じ人間とは全然思えなくなり、唾棄すべきものと酷く軽蔑して至極当然ながら人間としての値打を見出すことは到底、出来ないのである。逆に大谷選手に対しては半端なく潤沢に恵まれた天分と境遇を与えられた選ばれし百年に一人の逸材としての値打を見出せるが、子供の頃に馴れ親しんだものは大人になってからも肯定的に見るものなので嘗て憧れた往年のホームランバッターとは懸け離れている大谷選手にもどうも馴染めそうもない。そもそも野球自体に馴染めなくなったんだが、ま、何て言うか、僕があれこれ偉そうに言える立場でないことは重々分かってるし、僕が何を言っても影響力はないから勝手に書いてるだけなのであって、ま、無理に馴染もうとする必要はないし、懐古趣味という訳ではないが、兎に角、僕が言いたいのは嗚呼、世界のホームラン王と謳われた王選手の一本足打法のなんと美しかったことよ、嗚呼、同じくバッティングホームが美しくホームランアーティストと呼ばれた田淵選手のホームランが描く放物線のなんと美しかったことよ、嗚呼、打席での一つ一つの動作が味わいがあり独特のタイミングの取り方でホームランをかっ飛ばした掛布選手のバッティングホームのなんとカッコ良かったことよ、嗚呼、オレ流を貫き一匹狼で通した落合選手の神主打法のなんと雄々しかったことよ。他にも山本浩二選手とか門田博光選手とか職人的な味のある選手たちが懐かしい。僕はユーチューブの動画を視聴しながら斯様に懐かしく思い思い、休息を取るのである。懸隔もジェネレーションギャップも甚だしい孤独を感じながら…こう書くと酷く寂しいように受け止められそうだが、深く寛いでいるのである。言い換えれば孤独の深淵を楽しんでいるのである。
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