6. 夕暮れの告白

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. 「俺はあの日から、萌を諦めるなんて少しもできなかった」 「……」 「でも、それでいいんだよな?」 制服越しに伝わってくる、陽斗の鼓動に耳を澄ませながら、彼の胸の中でしっかりと頷く。 すると、私を抱きしめてくれる腕に、更に力が込められたような気がした。 「じゃあ、もう……絶対に離さない」 「うん……」 どれくらい、そうしていただろう。 外はすっかり日が落ちて、暗闇の中で炎が猛々しく燃えている。 暗くなった教室の中、外から入ってくる微かな明かりを頼りに、私たちはゆっくりと顔を近づけた。 初めてのキスを上書きするように、丁寧に優しく時間をかけて重ねてくれる。 他の人がどんなキスをするのか私には分からないけれど、陽斗と唇を合わせていると、頭の中が何も考えられなくなってふわふわしてくる。 ただ唇を合わせているだけなのに、キスって幸せになれる魔法みたいだな……。 「ねえ……」 「ん?」 「……楓ちゃんとも、こういうことした?」 .
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