はらぺこワニがことりをたべるまで

　ふかい森のおく、くらくしめった沼(ぬま)のほとりに、１ぴきのワニがおりました。ワニはとてもおなかをすかせていました。もうなん日も、なにも食べていないのです。

　沼(ぬま)には森のどうぶつたちが水をのみにやってきますが、水から半分顔をだしたワニを見つけると、みんないちもくさんににげてしまいます。それもそのはず、ワニはこの森では、らんぼうものとしてゆうめいだったのです。

　はらがへったな……

　ワニは草のかげにかくれて、じっとまちました。やんちゃな子ウサギが走ってくるのを。太ったカエルが近づいてくるのを。