第二章・ターゲット

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★★★★★ 翌日。 和久は早朝から観光マップを片手に街を散策していた。 気になる店。 主に【和食系】の飲食店に絞り込み活動する。 理由は〔和食系の店でお茶が出るのか?〕 和食だからお冷ではなく、お茶が出るのは当たり前・・・それは昔の話で、今はお冷に麦茶・ウーロン茶を出す店も多くなっていた。 お茶を出す店も、粉末茶の薄い味が主流で、本格的なお茶を出す店は、ほぼないと言っても過言ではない。 〔サービス〕として、出すお茶にお金はかけられない。当然のことだが、和久は逆にチャンスだと捉えていた。 美味しい和食に本物のお茶。 食前に一口飲む深い味わい。 食事をしながら飲むアクセント。 食後に飲む満足感。 プラス50円でも100円でも、お茶代としてメニューに載せても必ず需要はある! と、和久は考えていた。 和食の後は洋食。 狙いはケーキ専門店やパスタ系。 荒唐無稽な・・・ 和久の周囲は冷ややかだが、時代は変わりつつある。 抹茶のケーキ(玉露ケーキ)などは現代の商品であるし、売れているのは物珍しさだけではない。
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