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 現実と夢の狭間で軽やかに反復横跳びをしているようだ。  ホワホワの頭で、いつものように今日一日を振り返る。勉強合宿一日目、思っていたよりもかなり快適だったな。  うちの高校恒例の夏の勉強合宿は、大学受験に向けて学力向上を図るために、自由参加で四日間ホテルに缶詰になる。一日中勉強するわけだからそれなりにキツいものがあるし、受験間近の三年生の泊まるフロアからは必死さが滲み出ていて怖くて近づけない。  でも僕らは一年生。非日常空間を楽しむだけの余裕がある。いつも解いている問題集も、夏の高原のホテルでは何だか全く違うもののような感じがして、それだけで楽しいというか、何というか……。  ああ、完全にあっちの世界に行っていた。  思ったよりも疲れているんだな。  もともと勉強は嫌いじゃないが、さすがに一日中勉強しかしないなんて日は今までなかった。  ねむい。  頭と体がゆっくりと布団にめり込んでいく。心地良すぎだ。  この時間が生きている中で最も気持ちの良い時間。  睡魔さんが僕を迎えに来る。  手は繋ぐが一気にあっちへ引っ張られるなんてことはしない。ギリギリまで耐えて耐えて……睡魔さんをじらしてじらして、そしてあっちへ落ちる……。  ああ、もう、そろそろ、あっちへ……いっても……い、いか………な……。
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