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プロローグ。
私の名前は、青山鈴音28歳。
友達は結婚する人が多く、完全に出遅れた感じではあるけど…そんな私にも先月、彼氏ができた。
実に8年ぶりのお付き合いで…男性、というのを諦めかけていた。
そんな私は女子力の欠片もなかった……女の子らしいスカートは絶対履かなかったし、可愛らしい服も着なかった。
化粧もしないし、マスクで顔を隠して生活していた。
でも、そんなある日……「すずが良い!君が好きなんだっ!」と映画のワンシーンみたいな告白をされた――というのは理想で、本当は「ぼ、僕は…君がごにょにょごにょ……」という告白で、最初何言ってるのか分からなかった。
「日本語喋りなよ」
なんて、冷たい言葉を言ってしまったくらいだ……でもその言葉を訊いた彼は勇気を振り絞った。
「ぼ、僕は……君が好きにゃんだー!」と噛みながらも告白をしてくれたんだ。
だから私も……「私も好きにゃんだー!」とオーケーを出した。
うそ、今のうそ。
私はそんな柔軟じゃない……私の性格は彼氏も8年もいなかったからか、そんな明るい性格ではないのだ。
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