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止まらない涙にどうしよう、と思っていると、「目を閉じて」と囁かれ、従えばそっと瞼にキスが落とされた。
そこから伝わってくる温もりに意識を奪われていると、今度は同じ温もりを唇に感じた
あ、と驚いて瞼を開けば、瞼を閉じているルイの顔が視界いっぱいに広がった。
降ろした睫の長さに見惚れそうになりながら、慌てて瞼を閉じたのはレイラだけの秘密。
──昨日までは音を立てず夜道を歩くレイラを慰めるように照らしていた月明かりも、今夜はどこかほっとした様子で二人を見守っていた。
【終】
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