プロローグ

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「子供は早く産んだほうがいい。大昔は10代でみんな産んでいたんだからね」  物心ついた頃から、母は私にそんなことを言っていた。理由は母が私を授かるまで実に10年もの月日を費やしたからである。  現代では女性の社会進出が進み、さらに晩婚化が進み、多くの女性が不妊に悩んでいるらしい。母が言うには、キャリアを積んだあとの妊活および子育ては年齢的にも体力的にも大変だから、10代で出産して子供が小学生になったら大学へ行って、子供が中学生になったら社会人になればいい、などと言っている。  だけど――。  正直、まだ高校生の私にはあまりピンと来なかった。  それでもまあ、結婚は別にしてもしなくてもどっちでもいいとは思っていた。  だって、今までリアルの男性を好きになったことがないから。    秋月(あきづき)いろは、17歳。もうすぐ18歳になる。  このタイミングで私は親の決めた相手とお見合いをすることになった。
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