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1 猫を飼っている地味子は、したたかでズル可愛い女に敗北する
それは、まるで悪夢のような光景だった…。後々まで私を苦しめ、忘れられない恋のトラウマとなる悪夢…。この女から、私の不運のダッシュは始まったのだ…!?
私の名前は山田柚子。初めて出来た彼氏の忍君とは、付き合ってもうすぐ半年。
だが彼氏の部屋の扉を開けたら、ベットの上で見知った女の顔が勝ち誇ったように笑っていたのだ!?。ぐっすりと熟睡している彼氏の隣で、女の手には彼のスマホが握られている。
「なんで…美優が忍君と…!?」
怒りたい!叫びたいのに…声が震え動揺してうまく出てこない。こういう状況をなんて言うんだっけ? そうだネトラレだ!?。彼氏が目の前で幼馴染に寝取られている光景を目の当たりにしながら、私はショックでただ放心していた。
この現場に至るまでの私の怒涛の話を、少しだけ聞いてもらってもいいだろうか? いや、聞いてくださいっ!
事の起こりは一週間前ー。
◇◇◇
カフェのテラス席で向かい合って座り、デートを楽しんでいた私と彼氏の忍君。そこへ、聞き覚えのある声が割り込んできた。
「うわぁ! 偶然だねぇ柚子ちゃん! 元気にしてたぁ」
「美優…!?」
振り返るとそこには幼馴染の美優が立っていた。
「その人は柚子ちゃんの彼氏? 美優にも紹介して~」
色白で小柄で甘い顔立ち、栗色のゆるふわパーマに流行のワンピース姿。華やかな美優がカフェに入ってくると一際目立つ。
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