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あの後俺は無事に退院することができた
俺が学校に行く頃には俺と和騎が付き合ったってことが学校中に広がっていた
笑って祝福してくれる人も居れば孝みたいにめちゃくちゃに泣いて嘘だよな!?って縋ってくるやつもいた。和騎モテモテだなぁ(違う)
改めて騒動に巻き込んでしまって悪かったと亜優達に謝罪された。
亜優には
「明輝、俺、もっといい男になって明輝を和騎から奪いにくるから、待ってろよ!」
と言われて、そのまま亜優は去っていった
風紀の3人は心做しか落ち込んでいるようだった
「明輝が幸せならそれでいい」と口を揃えて言っているが…俺のいない間にまたなにかあったのかな…
3人には元気でいて欲しい。
生徒会の皆は俺が戻ってこれて良かったと涙ぐみながらまた迎え入れてくれた
もう前みたいな愚行は二度としないだろうし、皆学校とそして自分としっかり向き合っているみたいだ
担任にはお前は心配ばかりかけさせやがって…!ってどつかれた。めちゃくちゃな量の課題を出された。解せぬ
曖昧に終わっていた雅弥の件は、彼は退学になり、もう二度と明輝の前に現れることはないよ、と素敵な笑顔で慶さんに言われた
そして、寛翔にはあの日病室で会ったきり1度も会っていない
今は寛翔を探して歩いているところだ
…ん、あれは
「お〜い、咲紅!」
「!明輝!!お前もう学校きて大丈夫なのか!?」
「ああ、大丈夫!心配かけて悪かったな、お見舞いもきてくれてありがとね!」
「ああ!…明輝、城岡と付き合ったんだな」
「うん」
「…そっかぁ、ホントの話、か…うん、すげー悔しいけど、でも良かった、俺がいろいろ引っ掻き回しちゃったりしたし、好きって気持ちと後ろめたい気持ちが同じくらいあってさ…でも、明輝が幸せになれんなら、ほんと、良かったよ」
咲紅は優しい笑みを浮かべ、そう話す
「うん、咲紅、ありがとう。」
「………あああああもうだめ、俺に笑いかけんでよ、諦めようって気持ちが揺らぐじゃんかぁ…もうなんでそんなかわいいのさ…はあ…。そういえばなんで1年の校舎まできてんの?」
「あ、そうそう、俺今寛翔探しててさ、どこいるか知らん?」
「あー、あいつならさっき屋上に繋がってる階段登って行ったよ」
「そっか!さんきゅー!行ってみる!」
「うん、気をつけてな、あいつなんか最近様子おかしいし…」
「?そうなのか…わかった、ありがとう!」
俺は咲紅と別れて屋上へ続く階段へと足をかけた
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