1,1枚のハガキ

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私はずっと千葉のN田市で育って来た。 6年前、30の時、1年付き合ったミハルと結婚し、同じN田市内にマイホームを建てた。 それから2年後、私の両親は離婚。 母親は実家を飛び出し、私のこの家で一緒に住むことになった。 ちょうど、マミが妻のお腹にいた年である。 妻は子供を産むと、それまでの仕事を辞め、子育てと主婦業に専念した。 母は離婚前から勤めていた職場でずっと働いていたが、1年前、定年退職。 その年から妻はパートに出だした。 現在は、妻が仕事に出ている日は母が孫の面倒をみてくれている。 家のローンも半分ほど母が出してくれているので、金銭面は凄く助かっていた。 私には3つ年上の姉がいるが彼女は十年前に結婚し、隣町のダンナの実家へ嫁いでいる。 私は会社員なので、土日休みの平日仕事。 妻は飲食店でのパートなので休みは不規則だった。 女3人男1人のくらしは少し肩身の狭い所はあるが、とりあえずは二人目、次は男の子と頑張っている最中である。 「今日も、呑むでしょ」 と、一品目のツマミ(チャーシュー&メンマ)と缶ビールを持って来た妻が 「それどこであるの?」 と訊ねた。 母も椅子に腰掛け 「同窓会あるの?いいわね〜」 と、冷めた口調で言った。 「N田ビックリホテルってなってる」 私は母にハガキを手渡した。 「空港近くのトコよね。そんな遠くないし、いいんじゃない?出席するの?」
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