初めての臨海学校

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午後3時。俺たちは無事にお土産を買い終え、今は帰りのバスの中だ 行きと同じ席に座って自分たち用に買ったお菓子を食べながら喋っていると、だんだん眠気が襲ってきた 「眠いのか?」 「まだ平気」 「眠かったら寝ていいからな」 「うん、燈弥もね」 燈弥に告白されてからなんとなく俺たちを纏う空気が甘くなった気がする。まあ前からずっと俺は燈弥に甘やかされてきた気もするけど 「ヘイ境くん、到着まであと何分ですか?」 「あと2時間弱だ。って〇iriみてぇに言うなよ」 自分で調べろバカ白が。クロがあきれながら述べると、ももちゃんはバカ白ってなんですか٩(๑ò ༥ ó╬ )۶ 境くんにはもう聞きません!とぷりぷりしていた この2人見てるとなんか和むなぁ... 「和音、眠いのか?」 「ん~」 目が開かなくなってきた。バスの揺れって眠くなる 「着いたら起こすな。おやすみ」 燈弥の声と共におでこに柔らかい温かさを感じながら俺は眠りについたのだった ✄------------------------------------✄ 「んー!よく寝た!」 学園に着いたバスを降りて両腕を伸び〜っとすると、固まった体がほぐされた 「そうだろうな。お前いびきうるさかったぞ」 同じくバスを降りた燈弥が呆れた顔をして言ってきた 嘘だろ。そんなに酷かったの? 絶対他の人にも聞かれてるじゃん。超恥ずい...(´TωT`) 「…なんてな。冗談だ」 ニヤッと意地悪そうな笑みを浮かべる燈弥。恨みを込めて睨んでも、その顔かわいいなと頬を撫でられ俺が赤面する始末。 俺、一生燈弥に勝てる気がしない... 「ふつふぁふぁんお疲れ様でしたー。長いようで早かったな。始業式は9月最初の月曜だから遅刻すんなよ。じゃ、解散」 ホストがあくびをしながら締めの一言を述べた。ふつふぁふぁんって何だよ締りないな笑 夏休みの生徒の過ごし方は人それぞれだ。臨海学校が終わってすぐ帰る人もいれば、部活があってお盆だけ帰省する人もいるし、まるまる帰らない人もいる 「皆さんはこの後どう過ごされる予定ですか?」 皆で寮に戻る途中ももちゃんが問いかけた 「俺は明日から8月いっぱい家に帰るよ」 夏休みに入ってからというもの、主に父さんからいつ帰るのかメールがめちゃめちゃくる。そろそろ帰らないと面倒だからな。もう既に頬すりすり攻撃はくらうだろうけど。 「明日なんですか?早いですね」 「俺も明日だぞ!優も一緒だ!!」 「その為に仕事早く終わらせたからね」 あおちゃんとここ先輩は一緒に帰るらしい 「うひゃ~!!やっぱり九重様はスパダリですね!さすがです!!愛するフィアンセとは片時もはなれたくありませんよね!!!」 ももちゃん的にGoodな返答だったらしい。旅行帰りとは思えないほどのテンションだ 「俺は盆だけ帰る」 どうせ家帰っても仕事で誰もいねぇし、と続けるクロ 「堺くんもですか?実は僕もなんですよ。学校にいても暇ですし今度一緒に遊びに行きましょう!!」 クロとももちゃん最近仲良いよね。俺も皆と一緒に遊びに行きたいなぁ 「榊くんはどうなさるんですか?」 「盆だけ帰る」 燈弥は生徒会の仕事が忙しくて夏休みはあまり帰れないらしい。なんでも9月に入るとすぐ文化祭があるからその準備諸々に追われてるんだとか …って俺のクラス文化祭出し物何やるんだろ。まだ決めてないのかな? 「ねぇ、俺たちのクラスって文化祭の出し物何やるの?」 「文化祭?俺も知らないぞ!」 「出し物決めの時和音くんも葵くんもお休み(授業免除を使ったサボり)でしたからね。お二人とも特に準備はないので当日までのお楽しみです!!」 どうやら俺の居ない間に決めていたらしい。燈弥に聞いてもクロに聞いても内緒だ、秘密だ、と教えてくれない。嫌な予感がする気もするけどきっと気のせいだ 文化祭まであと1ヶ月以上あるし、今は残りの夏休みを楽しもう!
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