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オマケ2〜童貞卒業〜
試験が終わり、変わらない練習漬けの毎日が始まった。
そして期末テストの結果が発表され、俺はざわつく掲示板を見上げてにんまりと微笑む。
体育着に着替えグラウンドに向かう途中、那智が掲示板を見上げて居るのを見掛けた。
「監督」
と声を掛けて近付くと、那智が綺麗な顔をくしゃくしゃにして笑いながら
「矢澤!お前、凄いな!学年で10位なんて!」
嬉しそうに言って、俺の頭を撫でた。
(こいつ……約束、忘れていやがるな……)
一瞬目を据わらせてからにっこりと笑顔を作り
「ありがとうございます!ご褒美が欲しくて頑張りました」
そう答えた瞬間、『あっ!』という顔になり那智が顔を引き攣らせた。
「100位って言われたけど、ゼロ1個減らしといたから」
那智にだけ聞こえるように呟き、にっこりと微笑んだ。
「じゃあ伊澤監督、先にグラウンドに行きますね」
俺はそう言うと、踵を返し歩き出す。
実は俺、頭は良い方なんだ。
教科書見ていれば授業なんてそこそこでも分かるし、それで授業受けてれば大抵、出来る。
でも、サッカー推薦で入って、勉強も出来たら目立つだろう?
そんな面倒な事にはなりたくなくて、実は手を抜いていた。
常に「平均点」を目指し、250名弱の学年で130位前後にいたんだよね。
案の定
「伊澤君、サッカーも出来て頭も良いなんて凄いね」
と、クラスの女子が早速話し掛けて来た。
俺は笑顔を作り
「今回は頑張ったからかな?でも、マグレだよ」
そう答えて部活に向かった。
スポーツ選手は頭まで筋肉でバカ。
ガリ勉君達にそう思っていて欲しかったし、目立ちたくなかったんだけど、俺の童貞卒業が掛かっているとなりゃ〜頑張っちゃうだろう?
俺は顔を引き攣らせた那智を残し、鼻歌混じりにグラウンドへとむかった。
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