サッカー部の王子様

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「花さんて、そんなすごい人なの?」 「允さんより年上だから、俺の範疇じゃないけど。  しっかりして美人で、キャリアウーマン風なのに、こう、にじみ出すしっとりとした色気があるというか」  ともかく、お前と真逆の人間だ、と真那斗は言う。 「お前は、しっかりしてなくて、まあ、美人だが、どっちかと言えば、可愛い系。  仕事できるのに、ぱっと見、できなさそうで。  にじみ出す、ぼんやりした感じ。  それになにより、お前はモデル風に、シュッとした感じにスタイルいいだけだが、花さんは出るとこ出てるんだよな~」 「……どうしよう。  とりあえず、あんたを殺したい」 「いや〜、結構年上だけど、俺、あの人んちには泊まれないなあ、緊張して。  花さん、確か、バツイチだよな。  やっぱ、ああいういい女は、ひとところには落ち着けないか。  まあ、その点、お前は離婚とかしそうにないな」 「それは、他に言い寄ってくる男がいないって意味……?」 と言う莉王の言葉を真那斗は聞いていない。
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