第2話 バズギーの新武器と覚醒

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他人のベッドの上で寛ぐユラシルは「ふむ」と小さく声に出してレビックを見る。 目に力を込めてレビックの『ワールド』を視認。確かにレビックの言う通り『ワールド』が無意識に動いていてレビックは気づいていない。それだけ微弱な変動ではあるがユラシルは甘く見なかった。 「軽い暴走が始まってんな」 「暴走って、『ワールド』がかい?」 「その状態で仮死状態になったら暴発して死んじまうな。どれだけ続くかわかんねえが、その暴走が治まるまでは手出し出来ない」 「……ユラシルくんの読みではどれくらいの期間続くと思う?」 「これに関してはなんとも言えねえな。単純に個人差が表れるから、俺の知る限りだと一番長い奴で一年続いたし、逆に短い奴なら数時間で終わった。待つしかねえよレビック、こればっかりは仕方ねえ」 「………」 「例えるならサナギだよ、今のお前の状態は」 「サナギ…?」 「じっと成長を遂げるまで動かず耐えるんだ。お前の今の状態が覚醒の前段階ならひたすらにその時を待て。いつ来るかわからねえけど必ずその時は来る」 「………。わかったよ、それしかないならそうする。その時が来たら、僕はバズギーを抜き返す時だからね」 「…よくわかんねえが、とにかく今のレビックは『ワールド』に異常があってその異常は覚醒の予兆みたいなモンか……なら俺も楽しみに待っててやるぜ、お前の覚醒の瞬間をな」 レビックとバズギーが笑い合う。この二人のライバル関係が続き、互いに意識し合えばどちらにも変化は起きるだろう。 ひとまずはレビックの問題は現状維持。手出し出来ない以上はユラシルにもどうにもならないため一緒にその時が来るのを待つことになった。 「そうだ、ユラシルくん。今の暴走が治まるのを待つと言ったけど、治まった時に何か兆候とかあったりするのかい?」
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