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「兆候かぁ………なんつってたかなぁあいつ、アホみたいな脱力感が襲ってくるとかなんとか言ってた記憶があるな」
「脱力感?」
「立つことも出来ないくらい力が突然入らなくなるらしい。俺はお前と同じ状態になったこと無えから確かなことは言えねえけど、とりあえずそれが起きれば終わったと考えていいんじゃねーかな?」
「なるほど…」
「お前の親父さんにはお前の状態話してないのか?」
「あ、うん。僕個人の問題だし、ユラシルくんに相談しているからユラシルくんの意見だけに集中したくて」
「ほーん。───そういうことらしいっすよ親父さーん」
「「えっ…!?」」
レビックとバズギーが目を丸くした直後に部屋の扉が開いた。開けたのは外で聞き耳を立てていたアルバートだ。
「まさか気づかれていたとはな。驚いたよユラシル・リーバックくん」
「二度も気づけないなんてヘマはしないんでね。つーわけなんで、これからしばらくレビックの様子気にしてやってください」
アルバートが入ってきたのにユラシルは寝そべったままの体勢を貫く。バズギーが勢いよく立ち上がったのがなんだか滑稽に見えてしまうがこれが正しい行動なのは間違いない。
「息子の様子を気にするなど親として当然の責務、もちろんそうするとも」
「あざーす」
「フフ、『ファイブナイト』たちが口を揃えてキミのことを大胆不敵と言っていたがその通りだ。この私を前にしても全く気後れしていないな」
「大胆不敵なんて俺から一番遠い言葉っすね」
((寧ろそれ以外に当てはまらないが…?))
二人の白い目を無視。ユラシルは起き上がってベッドから降り、話も済んだので帰り支度を始める。
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