廃墟の真実

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門田和樹の場合  遊ぶ時間もなく毎日勉強ばかりしていると、ふと小学生の頃は何も考えずに遊びまくっていて楽しかったなぁと思うね。  親が自営業で金物屋なんだけど、どうせそこを継ぐから勉強したとしても将来は決まってるんだけど。  それにしても幼い頃は、全然近所なのに普段行かないようなところに行くだけで、冒険してるようなワクワク感があったね。  そうそう、冒険で思い出したけど大野陸翔は元気にしてるのかな。良く遊んでた仲良しグループの中でリーダー的存在だったんだ。  あの日もいつも通り、大野が先頭で色々な場所を探検していた。俺は一番後ろにいることが多く、その近くには大抵唯一の女子の椎名紗季(しいなさき)がいることが多かった。小柄でとても可愛い女の子だった。  そして大野の側には島田康太(しまだこうた)がいつもいた。この2人は本当に仲が良く、コンビネーションもばっちりで正直その関係性が羨ましかった。  そんな当時のグループだったけど、探検にスリルを求め、学校から立ち入り禁止を言われていた廃墟の工場に行くことにした。  俺と椎名は反対したけど多数決で行くことになってしまった。  ただあんなことが起こるなんて思いもしなかった。あのタイミングで老朽化していた壁が崩れ落ちてきたんだ。  もし過去に戻れるなら過去の自分達を殴ってでも止めたいね。  世の中なかなか思った通りにいかないよね。
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