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今くらい、小っちゃい子どもの間くらい、綺麗なものだけ見てていいんだ。
だからお前の前で醜い感情を晒したあの女に怒ったんだ、俺は。
……ただ、ちょっと図々しくてげんなりすることはあっても、芽実は決して性格は悪くないってのは俺の印象通りだったんだろうな。友人としてなら変わらず付き合えそうだ。
ま、今はカンケーないけど。
「愛、映画どうだった? 面白かったか?」
いつまでも不快なことに囚われてるのがバカらしくなって、俺は強引に話題を変えた。
「あ、うん! すっごいおもしろかった! あのね、わたしは船でシュータくんがサオリちゃんの──」
ぱっと顔を輝かせて、夢中で映画の感想を話す愛の姿に俺も自然笑顔になる。
可愛い、愛。
──ホントの妹ならよかった、な……?
~END~
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