たばこが消えて居る淋しさを投げすてる

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煙草が消えて居る淋しさを投げすてる  「それじゃあ、元気で」 たけるは俯いたままこちらを見ない。  「うん、そっちも。ありがとう」  「うん、ありがと」 お互いほぼ同時に背を向けて歩き出す。 それから20秒後、 たけるとの思い出が走馬灯のように頭の中を駆け巡った。  だけど涙は出ない。全く出ない。 最近泣いたのいつだっけ? ・・・・・・そうだ! デートをすっぽかされて、その埋め合わせにと予約してディズニーランドに行った時だ! 全く楽しくなくて、仕事で疲れてそうなたけるに気を遣って疲れてしまった時だ。そんな自分を惨めに思って泣いたんだ。 あ〜、思い出してすっきりした!  私は歩いてる途中、たけると行った事のある小さな池がある公園の前を通りかかった。  ちょっと寄ってくか。
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