たばこが消えて居る淋しさを投げすてる

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 午後10時を過ぎていたから、当然そこは誰も居ない公園になっていた。  私はベンチに座ってぼんやり池を見ながら煙草を吹かす。  たける、私が煙草吸う度に、健康に悪いっていつも怒ってたなぁ。 もう自由に吸えるんだなぁ。  煙草を咥えながら池の前にしゃがみこむ。  ふと、水面にたけるの怒った顔が見えた。  ん!? 私の瞬きが多くなった。心臓がドクンと鳴る。 水面には満月が映り込んでいるだけ。  涙が頬をつたっているのに気がつくと、満月はもうぐちゃぐちゃの形になっていた。 私は煙草を投げ捨てた。  たける、怒るよね…。 私はそれを拾い上げると、しばらく空の満月を見つめる。 くすりと笑みがこぼれていた。  
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