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「お前らはそれしか覚えていないのか。それよりほら、これを持ってサタンにいい加減左側天界をまとめろとせっついて来い」
「はいはい」
書類を受け取り、フィリポはサタンが待つかつての魔界、今では左側天界と呼ばれる場所に向けて走り出す。
あれから、人間になった信長の天下統一第二幕が目まぐるしく始まった。
人間世界のシステムの変更、両方が天界となったことによる弊害の解決、そして、手伝ってくれた武将たちを日本に帰すこと。それはもう、あれから何年経ったか忘れてしまうほどの忙しさだった。
「でも、夢には近づいたかな」
魔界に生まれ変わってしまった時、どうやら破壊しかないなと思ったというのに、こうして平和な世界を生み出すことに貢献することになろうとは、人生何があるか解らないものだ。
しかし、はっきり言えるのは、あの本能寺で絶たれた夢を、こうして場所は違うが追い掛けられているということだ。
「見てろよ。今度召喚した時には、あいつらが羨ましがる世界にしてやる」
猿には負けてなるか。統一を成し遂げた秀吉にしっかり対抗心を覗かせつつ、信長はにやっと笑っていた。
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