時峰×泉

2/12
5205人が本棚に入れています
本棚に追加
/42ページ
 今日は、南条さんと小宮さんの結婚祝いのパーティーだ。ふたりは先月入籍し、身内だけで式を済ませたそうなのだが、堤さんが、披露宴がないのなら、せめて会社関係の仲間を集めて披露パーティーをするぞと言って、無理やり幹事を買ってでたらしい。  招待されたのは、小宮さんや南条さんの同僚たちや、親しい取引先でもあるうちの会社の辻森さんや俺。そして、それぞれの家族も出席可とのことで、俺は奥さんである先生を同伴して出席させてもらった。 「小宮さんも綺麗だけど、先生も綺麗だよ。そのドレス似合ってるし、髪の毛アップにしてるのも久々に見た」 「ふーん」 「照れてる顔もあいかわらず可愛いね、センセ」  わざとたたみかけると、先生は腕組みをしてちらりと照れ隠しの睨みをきかせる。 「そんなのいいから、料理を取りに行くわよ」 「ハハ」  最近お互い忙しく、しかも先生の仕事は深夜上がりだということもあって、結婚して一緒に暮らしているのにすれ違いが多かった。だから、こうしてふたりで着飾って外へ出るのは久しぶりで、思った以上に楽しい。 「あぁ、いたいた、時峰」
/42ページ

最初のコメントを投稿しよう!